otonaもドキdoki

大人も大人未満の人もドキドキすることを綴ります

数学一人旅2  整数方程式

abc予想」が証明されて話題になりましたが、整数論の世界は一見単純に見えることがとても難解な世界です。比較的わかりやすい整数論の問題を1つ紹介します。現役の高校生は数Aで扱う内容です。

問題\ \ \ \ 横95m縦28mの床をできるだけ大きな正方形のタイルで敷き詰めるには一辺何mのタイルで敷き詰めるのがよいか。

(解答) 最大公約数の問題だから、それぞれ素因数分解して
28=2^ 2\times7\ \ \ \ 95=5\times19 よって最大公約数は1 (つまり28と95は互いに素)

   これを実際のタイル職人は、計算せずに正方形の1辺を探り当てます。 
   どうするのでしょう?
\ \ \ \ \ \ \ \ \ \ \ \ \ \ \ \ \ \  横95
縦28
\require{color}\textcolor{blue}{まず短い辺28の正方形を取れるだけとり(3つ分とれます)}
\require{color}\textcolor{blue}{余った部分から短い辺11の正方形を取れるだけとり(2つ分とれます)}
\require{color}\textcolor{blue}{余った部分から短い辺6の正方形を取れるだけとり(1つ分とれます)}
\require{color}\textcolor{blue}{余った部分から短い辺5の正方形を取れるだけとり(1つ分とれます)}
\require{color}\textcolor{blue}{余った部分は短い辺1の正方形で敷き詰められる}
ご存じの方も多いと思いますが、これが互除法です。
これを式で書くと
95=28\times3+11・・・・*
28=11\times2+6
11=6\times1+5
6=5\times1+1                               
さてここからが本題
問題\ \ \ \ 28x+95y=3\ \ \ \ を満たす整数解をすべて求めよ。

方程式の問題は「未知数の個数=式の数」が通例ですが、整数解を求める方程式は 「未知数が2つなのに与えられた式は1つ」でも解けます。
ヒント) \ \ まず28x+95y=1 を解くことにします。これを満たす整数x\  y\ が1つでも求められれば解決しますが、あてもなく探すのは難しい。 互除法の計算式(前述の*以下の式)を利用して、1=28〇+95△の形に表すことを 考えます。以下次回で。