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数学一人旅1  式の値

「式の値」という問題は多様ですが、一番基本となる問題を紹介します。これは易しい教科書では節末問題の中で扱う程度です。与えられた条件式を加工する方法にはいくつかの定型があるので、他の定型は別の項目で扱うことにします。

問題\ \ \ \ x+y=5\ \ \ xy=3 \ \ \ のとき \ \ \ x^ 2+y ^2 の値を求めよ。

この問題のx+y\ \ ,xyx\ yについての和と積で基本的な式なので基本対称式といいます。(x\ yを入れ替えても和や積の値が変わらない ので対称式といいます) この x+y\ \ xyのかたまりで様々な式を表すというのが問題です。 x^ 2+y^ 2 =5^ 2などとやってはいけません。なぜなら(x+y)^ 2=x^ 2+y^ 2   
ではなく (x+y)^ 2=x^ 2+2xy+y^ 2 だからです。
正解は x^ 2+y^ 2=(x+y)^ 2-2xy=5^ 2-2\times3=25-6=19 ですね。
少し難しくしましょう。
 類題①  x+y=5\ xy=3 のときx-y の値 
 類題②  x+y=5\ xy=3 のときx^ 3+y^ 3 の値 
 類題③  x+\dfrac{1}{x}=3\ のときx^ 2+\dfrac{1}{x^ 2} の値 
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 類題①の解答   (x-y)^ 2=x^ 2-2xy+y^ 2ですから  
(x-y)^ 2=(x+y)^ 2-4xy よって (x-y)^ 2=5^ 2-4\times3=13  
x-y=±\sqrt{13}  
\
 類題②の解答  (x+y)^ 3=x^ 3+3x^ 2y+3xy^ 2+y^ 3ですから  
x^ 3+y^ 3=(x+y)^ 3-3x^ 2y-3xy^ 2=(x+y)^ 3-3xy(x+y)  
よって x^ 3+y^ 3=5^ 3-3\times3\times5=125-45=80   
\
類題①や②に登場する次の式は 重要な変形公式として記憶するとよいでしょう。
\require{color}\textcolor{blue}{(x-y)^ 2=(x+y)^ 2-4xy}
\require{color}\textcolor{blue}{x^ 3+y^ 3=(x+y)^ 3-3xy(x+y)}
\require{color}\textcolor{blue}{x^ 3-y^ 3=(x-y)^ 3+3xy(x-y)}

類題③で重要なことは(x+\dfrac{1}{x})^ 2 =x^ 2+2x\dfrac{1}{x}+\dfrac{1}{x^ 2}となり、(a+b)^ 2=a^ 2+2ab+b^ 2\require{color}\textcolor{red}{2ab}  にあたる箇所が文字ではなく数値  \require{color} \textcolor{red}{2}になることです。
これを憶えておけばx^ 2+\dfrac{1}{x^ 2}=(x+\dfrac{1}{x})^ 2-2=3^ 2-2=7